介護施設のための できる! 感染対策 改訂版 ●図解でわかる介護施設でできる感染対策の超入門書! 著 者:四宮 聡(箕面市立病院 感染制御部 副部長) |
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目次
1 感染と防止の基本~ヒトと病原体と感染
1. そもそも感染とは
2. 感染防止とは
3. 感染源について
4. 感染経路について
1)接触感染
2)飛沫感染
3)空気感染
4)エアロゾル感染
5. 感染経路の遮断
1)感染源を運ばない
2)感染源をシャットアウト!
6. 感染対策には2つあるー日頃の対策と感染発生時の対策
2 感染を起こさないための日頃の予防策
1. 備えあれば憂いなし
2. 感染源を運ばない
3. 手指衛生と環境清掃で感染源の移動を阻止
4. まずは接触感染を予防する
5. 備えとしての新型コロナウイルス対策
3 日頃の感染予防策
①手指衛生
1. 手指衛生法の選択-手指消毒か手洗いか
2. 手指衛生の正しい手順と方法
3. 手指衛生のタイミング
②環境清掃
1. 手指が頻繁に触れる環境表面の清掃
2. 手指が触れることの少ない表面の清掃
床の清掃
3. 日常清掃の実際
1)居室
2)廊下
3)トイレ
4)手洗い・洗面台
5)浴室
③日常ケア
1. 痰吸引
2. 胃瘻
3. 尿道留置(バルン)カテーテル
4. オムツ交換
5. 口腔ケア
6. 利用者さんの健康状態の観察
4 感染症が発生した時の拡大防止策
1. 感染を拡げないために何をすべきか
2. 施設で注意すべき感染症
5 感染症発生時の拡大防止策
①新型コロナウイルス感染症
1. 新型コロナウイルス感染症が厄介なわけ
2. 新型コロナウイルス感染症の感染経路
3. 新型コロナウイルス感染症の主な症状
4. 日常的に取り組むべき感染対策
5. クラスター発生に備える!
②インフルエンザ
1. インフルエンザの症状
2. インフルエンザの感染経路
1)飛沫感染
2)接触感染
3. 施設内にインフルエンザが発生したら
1)発症や発症疑いに対する迅速な対応
2)インフルエンザを発症した利用者さんの居室隔離
3)感染者の居室の清掃
4. 利用者さんへの予防接種
③ノロウイルス感染症
1. ノロウイルス感染症とはどんな病気か
2. ノロウイルスの感染力と感染経路
3. 利用者さんがノロウイルスに感染したら
1)感染者を居室に隔離
2)嘔吐物処理
3)感染者のケア
4)嘔吐時の状況にあわせた対応
5)ノロウイルス感染者の使用後のトイレの清掃
6)オムツ交換
7)居室の清掃
8)隔離の解除
④疥癬
1. 疥癬
2. 疥癬の症状
3. 利用者さんが疥癬を発症したら
1)疥癬かどうかを疑う
2)疥癬発症者へのケア
3)疥癬患者さんの居室の清掃
4)疥癬患者さんが使用する備品類の衛生管理
5)リネン類の処理
6)隔離の解除
⑤結核
1. 高齢者と結核
2. 肺結核の症状
3. 結核菌の感染経路
4. 利用者さんが結核を発病したら
5. 結核患者に接触した職員や他の利用者さんへの対応
6. 入所前の結核チェックのポイント
7. 定期健診や健康観察で結核の早期発見を!
6 組織で取り組む感染対策~効果を上げる体制づくり
1. 感染対策を実施する組織の体制づくり
2. 感染対策委員会
3. 職種ごとの役割
1)施設長
2)看護師
3)介護職員
4)事務職員
4. 感染症発生時の報告・指示の体制
5. 職員の健康管理
1)入職時の確認事項
2)定期健診
3)ワクチン接種
4)就業制限
6. 関係各所への報告
7 施設内でできる感染対策研修会
1. 感染対策研修会とは
2. 研修担当者へのアドバイス
8 地域病院との連携~感染対策専門家との良好な関係づくり
・参考文献
・巻末資料
・自施設現状チェック表
・新型コロナウイルス感染症対策チェック表
・感染対策ミニテスト
・部署内環境チェック表
・索引
はじめに~改訂にあたって
本書は今から4年前に介護施設でできる感染対策をわかりやすく紹介する目的で初版が出ました。当時と決定的に違うのは新型コロナウイルスの出現です。そこで施設における新型コロナ対策を踏まえた感染対策を主眼に,この度,改訂版を刊行することになりました。
この改訂版の執筆時点(2021年7月末)は東京オリンピック開催中でしたが,一方で新型コロナは猛威を振るっていました。2020年から続く世界的な流行は未だゴールが見えない霧の中にいる状況です。この感染症には介護施設,高齢者住宅,障害者施設,保育所など集団が生活を共にするあらゆる場所でより厳しい対策を求めています。クラスター(集団感染)もあちらこちらで発生しています。一方で以前から問題となっている薬剤耐性菌の増加も懸念されています。
新型コロナウイルスに対してはこれまで病院や施設で取り組んできた感染対策が有効です。ただし,これらの対策を「正しい方法で徹底して行う」ことが前提条件となります。感染対策の基本である病原体がうつる道(感染経路)の遮断は,施設で今まで戦ってきたインフルエンザ,ノロウイルス胃腸炎,薬剤耐性菌感染症,疥癬,結核などに共通する対策であり,新型コロナウイルス感染症に対しても然りです。
とは言え,手指消毒や手袋・マスクの着用,環境清掃を施設の日常業務に落とし込んで徹底することは容易ではありません。いつ・誰が・どのように行うかを職員のみなさん一人ひとりが理解し,実行に移して初めて感染対策として成立します。
本書は新型コロナ対策を踏まえたこれからの感染対策の基本をイラストを多用してわかりやすく解説しています。本書が施設におけるコロナ時代の,そしてそれ以降の感染対策のスタンダードとしてみなさんの業務の一助となれば幸いです。
2021年9月
四宮 聡
箕面市立病院 感染制御部 副部長 感染管理認定看護師