感染症・感染対策専門出版

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感染管理おべんきょブックス③

おべんきょ環境整備 病原体にはびこるスキを与えない!

 ●5Sの本質をおさえた環境整備の決定版!
 ●病院環境整備の基本的理解から具体的手法まで!
 ●感染防止のための環境整備はこの1冊から

 監 修:森澤雄司(自治医科大学附属病院 ・感染制御部長)
 定 価:本体2,500 円+税
 判 型:B5 判 108 頁(2色刷)
 発 行:2019 年3月5日
 ISBN978-4-906844-17-3


目次

 1 環境整備のそもそも論
  ●そもそも環境整備の環境って何?  
  ●環境整備の整備って何をするの?  
   1. ファシリティー・マネジメント  
   2. 環境を整備するとは  
  ●環境中の病原体  
  ●環境整備が必要なワケ

 2 環境表面
  ●埃と汚れ  
   1. 埃  
   2. 汚れ  
  ●埃,汚れと環境表面へのアプローチ  
  ●環境表面の優先順位  
  ●手指の接触頻度からみた環境表面  
   1. 手指の高頻度接触面  
   2. 手指の低頻度接触面  
  ●病院の環境表面で生きる注意すべき病原体  
   1. 環境表面における病原体の生存期間  
   2. 特に警戒すべきは多剤耐性グラム陰性桿菌  
    ❶多剤耐性菌が問題となる理由
    ❷特に注意すべきは多剤耐性グラム陰性桿菌
    ❸環境表面の最強の敵:
      多剤耐性アシネトバクター・バウマニ

 3 日常行う環境整備の基本
  ●5Sの精神!  
  ●清潔を保つための清掃  
   1. 手指の高頻度接触面の清拭  
   2. 床清掃  
    ❶モップがけ
    ❷血液・体液の拭き取り
    ❸嘔吐物の拭き取り
  ●清潔を保つための整理・整頓  
   1. 整理と整頓  
   2. 感染性廃棄物の処理  
  ●清潔を保つための躾 

 4 環境整備と消毒
  ●除菌洗浄剤と消毒剤  
  ●日常的な環境消毒は行わない!  
  ●消毒剤による環境清拭が必要な時  
  ●環境消毒と消毒剤  
   1. 高水準消毒剤,中水準消毒剤,低水準消毒剤  
   2. 消毒剤と殺菌スペクトラム  
   3. EPA登録消毒剤  
   4. 消毒による環境清拭の新しい動き  
  ●その他の環境消毒・殺菌の手法  
   1. 蒸気化過酸化水素  
   2. 紫外線殺菌照射

 5 水と空気と環境管理
  ●水の管理  
   1. 水と感染  
   2. レジオネラ属菌対策  
    ❶冷却塔
    ❷浴槽水
   3. 透析用水  
  ●空気の管理  
   1. 空気と感染  
   2. 空気の管理とゾーニング  
   3. アスペルギルス対策  
    ❶アスペルギルス胞子と感染症
    ❷工事前のリスク評価
    ❸室内工事における防塵対策

 6 院内エリア別 環境整備のポイント
  ●病室  
  ●処置室  
   1. 清潔区域の管理  
   2. 不潔区域の管理  
   3. 手洗い場の設置と管理  
  ●トイレ  
  ●浴室  
   1. 浴室清掃  
   2. シャワーとレジオネラ属菌  
  ●廊下  
  ●ナースステーション  
   1. 高頻度接触面の清拭  
   2. ナースステーション内の整理・整頓  
  ●手術室  
   1. 手術室の清掃  
    ❶始業時清掃
    ❷手術間清掃
    ❸終業時清掃
   2. 手術室の空調  
   3. 手術器材の処理  
  ●ICU  
   1. ICUスタッフの徹底した手指衛生  
   2. ICUの空調  
   3. ICUの日常清掃  
   4. ICU内の整備  
  ●NICU  
   1. 保育器の衛生管理  
   2. 空調と清掃  
  ●透析室  
   1. 透析室の清掃  
   2. 患者さんのベッド配置  
   3. 透析室の空調

 ■環境整備チェックポイント


内容見本


監修のことば

 見えぬけれどもあるんだよ,見えぬものでもあるんだよ。と,うたったのは童謡詩人・金子みすゞ(“星とたんぽぽ”)ですが,病院や介護施設で働く私たちにとって感染防止対策は“見えぬ”病原体を相手とする厳しい日々な訳です。であればこそ,寝ても覚めても“手指衛生”,三四がなくても“手指衛生”,雨が降ろうが槍が降ろうが“手指衛生”ということになる訳です。もちろん,勝手に槍を降らせて手指衛生を実践してもらえないスタッフもいる現実はありますが,感染防止対策の立場からいつでも執拗く“手指衛生”,鬱陶しがられても“手指衛生”と叫び続ける毎日をお過しのことと御見舞いを申し上げます。しかし,手指衛生だけで大丈夫ですか,あ,もう大丈夫じゃないことはご承知ですね,失礼しました。であれば,やはり“臭い匂いは元から絶たなきゃダメ”ということで,感染防止対策にとって環境整備も重要な課題である訳です。
 かのフローレンス・ナイチンゲールも“病人の自然治癒力を高める手段の一つとして,環境を整えることが看護実践において重要である”と曰うておられます,“看護覚え書”でしたっけか。ここでいう“環境”はもっと広い意味を指しておられるのではありますが,患者さんの治癒を阻害する医療関連感染を防止するためには,まさに“環境を整える”環境整備が必須な訳であります。もちろん,感染防止対策から考える環境整備においては建築設計からの見直しが必要ではありますが,もう建っちゃってるもの,しょうがないじゃん。
 という訳で,環境整備を考えましょう。根本的な考え方から具体的な手法まで,与えられた条件のもと,現実的に取り組める環境整備についてわかりやすく学んでいただこうというのが本書の趣旨です。“手指衛生”を補完する衛生的な話として気楽にお付き合いいただければ幸甚至極にございます。

 さあ,はじめましょう,“おべんきょ環境整備” !!

2019 年1月

森澤雄司
自治医科大学附属病院・感染制御部長,准教授
感染症科(兼任)科長,総合診療内科(兼任)副科長
栃木地域感染制御コンソーティアム TRIC’K’ 代表世話人